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発達障害:健診で見極め 5歳児対象、全国55市町で
発達障害:健診で見極め 5歳児対象、全国55市町で 

◇特性に応じ適切な対応 「入学前に学校に伝えて」
 
発達障害の早期発見を目的とした5歳児健診を始める自治体が増えている。「対人関係が苦手」「落ち着きがない」−−といった子どもの特性をつかみ、親や保育士が適切なケアをすることで、集団生活をスムーズに送れるように促すことが狙いだ。

 色鉛筆をいつも同じ順番に並べる。洋服も丁寧にきっちりたたむ。栃木県大田原市に住む鳥越紗也子さん(33)は、そんな長男(6)を「神経質で融通がきかないタイプ」と思っていた。しかし、市の5歳児健診をきっかけに紹介された医療機関で「広汎性発達障害」と診断された。

 「はじめはショックで頭が真っ白でした」。「障害」という言葉に驚く一方で、長男のこだわりが強く言葉が遅かった理由が分かって、少しほっとしたという。言葉の理解が苦手なので、自宅ではゆっくり話すよう心がけている。言葉の意味を絵で説明したカードを見せることもある。

 小学校入学前には学校にも相談。長男のクラス担任にはベテラン教員がついた。入学当初は新しい環境になじめず大声を出し立ち歩いていた長男だったが、授業中だいたい座っていられるようになった。鳥越さんは「まだまだ適応していないけれど、早めに準備ができた」と5歳児健診を受診してよかったという。

 大田原市が幼稚園と保育園で健診を始めたのは04年の春。「落ち着きのない子が増えてきた」という園からの報告がきっかけだった。心理相談員や小児科医が立ち会い、静かに座って話を聞けるか、遊びで友達とどうかかわっているかを観察する。発達障害は手先が不器用で、ある種の運動ができないことがあるため、はさみの使い方やスキップの様子などを見る。昨年度は635人が受診し、発達に問題があるとされたのは109人(17・2%)だった。

 市保健福祉部こども課は「家では大丈夫でも集団生活で支障をきたし、園側が問題を感じていることがある」と指摘する。特性がわかれば、担任の声を聞き取りやすいよう席を最前列にしたり、しかり方をそっと言い含めるようにするなど工夫もできる。適切な対応で子どもは落ち着きを見せるという。

     *

 5歳児健診は鳥取県大山町が96年から始め、いまは県全域で健診もしくは発達相談をしている。05〜06年に厚生労働省が行った全国調査では55市町が健診を実施していた。東京都世田谷区は4歳半で任意の発達相談に応じており、早期発見の流れは広がりつつある。

 国が自治体に義務付けているのは1歳半と3歳を対象にした健診だが、発達障害に焦点を当てた内容ではない。鳥取大の小枝達也教授(小児神経学)は「3歳で多動は普通だが5歳になればそれなりの社会性が身についていて、見極め可能です」と5歳児健診の重要性を指摘する。

 発達障害児はコミュニケーションが苦手で、いじめの対象になったり、不登校につながることもあるとされる。問題が起きた後では、担任が疲れ果てて余裕をなくし、親は学校に不信感をもつことも多い。小枝教授は5歳児健診で障害がわかれば、小学校入学前に伝えるよう保護者に勧めている。「学校側はクラス編成で配慮できるし、担任も落ち着いて指導できる。子ども、教師、親、クラスの仲間、すべてにメリットがあります」

 ただ、保護者側には、診断結果を受け入れられない人も少なからずいる。大田原市でも、障害の可能性がある子の親に専門家との相談を勧めても、応じないケースがある。

 発達障害のある子どもの成長を支援するNPO法人「チューリップ元気の会」(埼玉県川越市)理事長の溝井啓子さん(48)は高校3年生の長男に学習障害(LD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性がある。自閉症の次男がかかっていた医師から当時5歳の長男の健診を勧められ、障害が判明。「入学前に小学校に相談し、支援サポーターも配置してくれた。短期の不登校はあったけれど、本人が自信を失わずに済んだことは何よりだった」という。「親も本人も受け入れに一定の時間はかかるけれど、障害とうまく折り合うことはできる」というのが溝井さんの結論だ。

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 ◇発達障害
 先天的に脳の一部がうまく働かない障害で、自閉症▽アスぺルガー症候群▽注意欠陥多動性障害(ADHD)▽学習障害(LD)などがある。こだわりが強くコミュニケーションが苦手といった特性をもつ。ほとんど知的障害を伴わず、外見ではわかりにくい。文部科学省の02年の調査では、小中学生の6・3%に軽度発達障害が見つかり、1クラスに2人程度いるとされている。

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 ■5歳児健診の主な質問項目

 □ 一人で着衣ができる

 □ 鼻をかみ、自分でふきとれる

 □ 友達と順番にものを使う(ブランコなど)

 □ じゃんけんで勝負を決められる

 □ 両親の姓名、町の名前を言う

 □ 四つの数を覚え、復唱できる

 □ 「右手はどっち」と聞けばわかる

 □ 言葉が出てこないことがある

 □ テレビをテビレと言うなど、言葉の言い誤りがある

 *大田原市の健康診査表より抽出  毎日新聞 2010年5月2日 より



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ほめる育児:社会適応力高い子育つ 親子400組調査
ほめる育児:社会適応力高い子育つ 親子400組調査
 親にほめられたり、やさしい言葉をかけられた乳幼児ほど、主体性や思いやりなど社会適応力の高い子に育つことが、3年以上に及ぶ科学技術振興機構の調査で分かった。父親の育児参加も同様の効果があった。「ほめる育児」の利点が長期調査で示されたのは初という。東京都で27日午後に開かれる応用脳科学研究会で発表する。

 調査は、大阪府と三重県の親子約400組を対象に、生後4カ月の赤ちゃんが3歳半になる09年まで追跡。親については、子とのかかわり方などをアンケートと行動観察で調べた。子に対しては、親に自分から働きかける「主体性」、親にほほ笑み返す「共感性」など5分野30項目で評価した。

 その結果、1歳半以降の行動観察で、親によくほめられた乳幼児は、ほめられない乳幼児に比べ、3歳半まで社会適応力が高い状態を保つ子が約2倍いることが分かった。また、ほめる以外に、目をしっかり見つめる▽一緒に歌ったり、リズムに合わせて体を揺らす▽たたかない▽生活習慣を整える▽一緒に本を読んだり出かける−−などが社会適応力を高める傾向があった。

 一方、父親が1歳半から2歳半に継続して育児参加すると、そうでない親子に比べ、2歳半の時点で社会適応力が1.8倍高いことも判明した。母親の育児負担感が低かったり、育児の相談相手がいる場合も子の社会適応力が高くなった。

 調査を主導した安梅勅江(あんめときえ)・筑波大教授(発達心理学)は「経験として知られていたことを、科学的に明らかにできた。成果を親と子双方の支援に生かしたい」と話す。 毎日新聞 2010年3月27日より

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中高生の3割「昼からウトウト」…高1でピーク
中高生の3割「昼からウトウト」…高1でピーク 

中学、高校生の3人に1人は、昼間に強い眠気を感じていることが、厚生労働省研究班(主任研究者=大井田隆・日本大教授)の約8万7000人を対象にした初の全国調査で分かった。昼間の眠気は、学習効率を下げたり、健康に悪影響を与えたりすることが知られており、中学、高校生への健康教育が重要になりそうだ。

 大阪市で24日から開かれる日本睡眠学会で発表する。

 全国239校の中学、高校を対象に、睡眠や生活習慣についてアンケート調査を行い、168校の生徒から回答を得た。

 昼間の眠気は、国際的な尺度を使って評価。「座って人と話したり、本を読んだりしているとウトウトする」など、昼間に強い眠気を感じる生徒は全体の33%だった。男子は28%、女子は38%で、女子の方が眠気を訴える比率が高かった。

 眠気を感じる比率を学年ごとにみると、高校1年生(男子36%、女子45%)がピークだった。

 就寝時刻の遅れや、通学時間の長さなども、昼間の眠気に影響を与えていた。

 研究班の兼板佳孝・日大准教授は「強い眠気を感じる生徒は、予想以上に多かった。高校1年生は、環境の変化が最も大きい時期で、それも影響しているのだろう。どういう条件だと昼間に眠気を生じやすいのかを明らかにして、健康教育などに生かしていきたい」と話している。 10月21日 読売新聞より

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ADHDに小児用の新薬登場 「ストラテラ」、依存性なく多動に効果
ADHD リタリン使用禁止後の薬物治療の状況は。
 
◇小児用の新薬登場 海外で普及「ストラテラ」、依存性なく多動に効果

◇「選択肢二つに」医師ら歓迎
 不注意や多動、衝動性などを症状とする発達障害のひとつのADHD(注意欠陥多動性障害)。これまで治療薬は中枢神経に作用するメチルフェニデート(商品名・コンサータ)しかなかったが、今年4月、新たにアトモキセチン(商品名・ストラテラ)が承認された。ADHDの治療薬は欧米では7種類。あいち小児保健医療総合センター(愛知県大府市)の杉山登志郎心療科部長は「やっと2種類の薬が使えるようになり、選択肢が増えた」と歓迎する。

 コンサータは、向精神薬のリタリンと同じ仲間で、意欲や快感と関係するドーパミンという神経伝達物質を脳内で増やす作用をもつ。これに対し、ストラテラは集中力や注意力などにかかわるノルアドレナリンという神経伝達物質を増やす。

 ストラテラは世界的には6年前から使われている。国内では245人の患者を対象にした臨床試験で有効性が確かめられた。対象は6歳から18歳未満。朝夕2回服用する。5、10、25ミリグラムの3種類のカプセルがある。即効性に欠けるが、2〜3週間で効き始め、6〜8週間後から効果が終日持続するようになる。

 臨床試験に加わった杉山さんは「薬が必要なのは、多動などの症状が中程度以上の場合。劇的によくなったなど有効性は高いと感じた」と話す。試験では副作用として頭痛(約22%)、食欲の減退(約16%)などが見られたが、ドーパミンを増やす作用がないため、「長く使っても依存性がない」(杉山さん)という。

     *

 一方、コンサータは朝1回服用するだけで効果が12時間程度、持続する利点がある。

 東京都杉並区の小学3年男子(9)は集中力が持続しないADHD。一部医師による過剰処方が問題となり、ナルコレプシー(睡眠障害)を除いて使用禁止になったリタリンに代わり、小学1年後半からコンサータを服用し始めた。まずは2錠(1錠18ミリグラム)から始めた。効果はあったが、副作用で食欲が落ち、1錠に切り替えた。しかし、今度は効果が低くなり、今年5月から27ミリグラムの錠剤に替えて、やっと落ち着いてきた。

 母親(35)は「コンサータの効果には満足しているが、夜になっても食欲がないことがある」と話し、どちらを服用すべきか迷うという。杉山さんは「副作用は個人差がある。試してみて、どちらが合うかを判断するしかない」と語る。

     *

 日本ではADHDの診断、治療、生活指導にきちんと対応できる専門医が少ない。米国では約6000人の児童精神科医師がいるのに対し、日本はわずか約140人。このため、患者が一部の医療機関に集中し、なかなか治療を受けられないという。

 児童精神科医師などで組織した「ADHDの診断・治療指針に関する研究会」は「注意欠如・多動性障害の診断・治療ガイドライン」(じほう・4200円)をまとめた。診断法や薬物・精神療法、医療機関と学校の連携の仕方などを詳しく解説。「小児科医や教育・福祉関係者に読んでほしい」と呼びかけている。

 製薬会社のヤンセンファーマ社はADHDを疑似体験できるバーチャル装置を開発、医療機関に貸し出している。ADHDの子供たちのつらさを、看護師ら医療関係者に体験してもらうのが狙い。専用ゴーグルをつけて映像を見ると、子供たちが登校中にいろいろなものに注意を奪われ、遅刻する様子などが疑似体験できる。無料。希望者は同社マーケティング本部(ファクス03・4411・5005)へ。

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 ◇注意欠陥多動性障害(ADHD)
 脳の機能的な障害で起きる発達障害の一種。「忘れ物が多い」「指示に従わない」「課題を順序立てて行えない」などの不注意▽「じっとしていられない」「過度にしゃべったり、走り回ったりする」などの多動性▽「質問を聞き終わらないうちに答える」「順番が待てない」などの衝動性が主な症状。02年の文部科学省調査によると、児童の3%程度に見られる。

毎日新聞 2009年7月7日 より

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軽度発達障害とは
軽度発達障害

 先天性の脳機能障害で、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)、高機能自閉症などの総称。いずれも知的な遅れがなく、一見普通と変わらないため気付かれにくい。児童生徒の場合、読み書きやコミュニケーションが苦手、不注意が多いなどの特徴から、いじめや厳しい指導の対象になりやすく、抑うつ状態や自尊心欠如など2次的影響のある子どもも多い。文部科学省の2002年の全国調査では、児童生徒の約6.3%に軽度発達障害の疑いがあるとされている。(西日本新聞より)



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注意欠陥多動性障害 ADHDとは
注意欠陥多動性障害 ADHDとは (Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder:ADHD)

 注意欠陥多動性障害(略称ADHD)とは、発達レベルに不適当な不注意(注意力障害)・衝動性・多動性を示す行動障害で、不注意優勢型、多動性−衝動性優勢型と両方を併せ持つ混合型の3つのタイプが示されています。有病率は年齢と性別により異なり、だいたい就学前後の年齢層に多くみられ、多動性−衝動性優勢型や混合型が大きな割合を占めています。ところが年齢が高くなるにつれて有病率は下がるものの、逆に不注意優勢型の割合が大きくなってきます。
 以前は小児期の疾患と考えられていましたが、成人においても障害が持続することがあり、成長してもその傾向は残存することがわかってきました。また非行との関連も注目されており、ADHDの一部は小学校高学年において反抗挑戦性障害に、青年期で行為障害、成人後に反社会的人格障害になる可能性もあるといわれています。このような症例では児童虐待など家庭状況が大きな影響を与えていることが知られています。


ADHD - 経緯

 ADHDについて初めて医学的な記述がなされたのは1902年のことで、イギリスの小児科医スティルが「道徳的統制の欠陥」を特徴とする障害を「スティル氏病」と名づけて発表したことから始まります。彼は「道徳的統制の欠陥」は脳損傷や遺伝・環境要因によるものとして捉えており、その後、注意集中の困難さや活動・衝動のコントロールが出来ないのは脳損傷によるものである、と考える研究者が多くなりました。また、脳炎後に後遺症として多動が認められる症例もあり、多動と脳損傷とは密接な関係があるのではないかと考えられるようになりました。その後、周産期における脳損傷・ウィルス感染、出生時の低酸素脳症などとの関連も示唆されるようになり、 微細な脳損傷が中枢神経系の機能不全をもたらす結果、多動などの行動面の問題や学習面の問題を引き起こすのではないかと考えられ、「微細脳損傷(Minimal Brain Damage :MBD)」という名称が提唱されました。

  1962年、脳損傷の有無を明確にするべく、「微細脳機能障害(Minimal Brain Dysfunction :MBD)」の名称に転換されました。そして、行動特性を主とする研究が盛んになり、行動面の問題と学習面の問題を個々に捉えようという動きになり、 1963年にサミュエル・カークが学習面の問題に対し「学習障害(Learning Disability :LD)」の名称を提唱しました。これにより、学習面の問題は教育分野で進展を遂げるようになりました。

 そして1968年、アメリカ精神医学会のDSM-?(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders :『精神障害の診断・統計マニュアル』)に、児童期における精神疾患としては初めて「子どもの多動性反応」が導入されました。

  1970年代に入ると、これまで多動に焦点が当てられていたものが不注意や注意欠陥に向けられるようになりました。1972年、カナダの心理学者ヴァージニア・ダグラスは、多動よりも注意が持続しなかったり衝動がうまく統制出来ないという欠陥の方が重要ではないかというような指摘をしました。1980年に出されたDSM-?には、「注意欠陥障害(Attention Deficit Disorder :ADD)」が採用され、「不注意」と「多動」、加えて「衝動性」が互いに独立したものとして 捉えられました。また、多動を伴うか否かで分類するものや、以前はADDの診断基準を全て満たしていたが、いづれかの症状が消えてしまったものを残遺型として挙げられました。DSM-?は1887年に改定版DSM-?-Rが出され、「注意欠陥/多動性障害(Attention - DeficitHyperactivity Disorder :ADHD)」と名称も変更されました。

 その後、医療機器の大きな進歩を受け、脳の活動や神経レベル、遺伝子レベルの研究が可能となり、遺伝要因の関与や神経伝達物質のひとつであるドーパミンの欠如など、まだまだ仮説の段階ですが、発症因子が見出されるようになりました。1994年に出されたDSM-?では、「不注意優勢型」「多動性−衝動性優勢型」「混合型」の3つの類型が採用されました。


ADHD - 定義・診断基準

文部科学省による定義
 ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。
 また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

文部科学省による判断基準など

判断基準

  以下の基準に該当する場合は,教育的,心理学的,医学的な観点からの詳細な調査が必要である。

A.以下の「不注意」「多動性」「衝動性」に関する設問に該当する項目が多く、少なくともその状態が6ヶ月以上続いている。

○ 不注意
・ 学校での勉強で,細かいところまで注意を払わなかったり,不注意な間違いをしたりする。
・ 課題や遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい。
・ 面と向かって話しかけられているのに,聞いていないようにみえる。
・ 指示に従えず,また仕事を最後までやり遂げない。
・ 学習などの課題や活動を順序立てて行うことが難しい。
・ 気持ちを集中させて努力し続けなければならない課題を避ける。
・ 学習などの課題や活動に必要な物をなくしてしまう。
・ 気が散りやすい。
・ 日々の活動で忘れっぽい。

○ 多動性
・ 手足をそわそわ動かしたり,着席していてもじもじしたりする。
・ 授業中や座っているべき時に席を離れてしまう。
・ きちんとしていなければならない時に,過度に走り回ったりよじ登ったりする。
・ 遊びや余暇活動におとなしく参加することが難しい。
・ じっとしていない。または何かに駆り立てられるように活動する。
・ 過度にしゃべる。

○ 衝動性
・ 質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう。
・ 順番を待つのが難しい。
・ 他の人がしていることをさえぎったり,じゃましたりする。

B.「不注意」「多動性」「衝動性」のうちのいくつかが7歳以前に存在し、社会生活や学校生活を営む上で支障がある。

C.著しい不適応が学校や家庭などの複数の場面で認められる。

D.知的障害(軽度を除く)、自閉症などが認められない。

実態把握のための観点

A.基本方針
 学校における実態把握については,担任教員等の気付きを促すことを目的とすることが重要である。
・ 障害種別を判断するためではなく,行動面や対人関係において特別な教育的支援の必要性を判断するための観点であることを認識する必要がある。
・ 学校では,校内委員会を設置し,同委員会において,担任等の気付きや該当児童生徒に見られる様々な活動の実態を整理し,専門家チームで活用できるようにすることが求められる。専門家チームでは,このような学校における実態把握をも含めて,総合的に判断をすることになる。

B.留意事項
・ ADHDや高機能自閉症等,障害の医学的診断は医師が行うものであるが,教員や保護者は,学校生活や家庭

生活の中での状態を把握する必要がある。
・ 授業や学校生活において,実際に見られる様々な特徴を把握できるような観点を設定する必要がある。
・ 高機能自閉症等の一部には,行動としては現れにくい児童生徒の内面的な困難さもあることに留意する必要がある。
・ 授業等における担任の気付きを,注意集中困難,多動性,衝動性,対人関係,言葉の発達,興味・関心などの観点から,その状態や頻度について整理し,校内委員会に報告する。

C.観点
○ 知的発達の状況
・ 知的発達の遅れは認められず,全体的には極端に学力が低いことはない。
○ 教科指導における気付き
・ 本人の興味のある教科には熱心に参加するが,そうでない教科では退屈そうにみえる。
・ 本人の興味ある特定分野の知識は大人顔負けのものがある。
・ こだわると本人が納得するまで時間をかけて作業等をすることがある。
・ 教師の話や指示を聞いていないようにみえる。
・ 学習のルールやその場面だけの約束ごとを理解できない。
・ 一つのことに興味があると,他の事が目に入らないようにみえる。
・ 場面や状況に関係ない発言をする。
・ 質問の意図とずれている発表(発言)がある。
・ 不注意な間違いをする。
・ 必要な物をよくなくす。
○ 行動上の気付き
・ 学級の児童生徒全体への一斉の指示だけでは行動に移せないことがある。
・ 離席がある,椅子をガタガタさせる等落ち着きがないようにみえる。
・ 順番を待つのが難しい。
・ 授業中に友達の邪魔をすることがある。
・ 他の児童生徒の発言や教師の話を遮るような発言がある。
・ 体育や図画工作・美術等に関する技能が苦手である。
・ ルールのある競技やゲームは苦手のようにみえる。
・ 集団活動やグループでの学習を逸脱することがある。
・ 本人のこだわりのために,他の児童生徒の言動を許せないことがある。
・ 係活動や当番活動は教師や友達に促されてから行うことが多い。
・ 自分の持ち物等の整理整頓が難しく,机の周辺が散らかっている。
・ 準備や後片付けに時間がかかり手際が悪い。
・ 時間内で行動したり時間配分が適切にできない。
・ 掃除の仕方,衣服の選択や着脱などの基本的な日常生活の技能を習得していない。
○ コミュニケーションや言葉遣いにおける気付き
・ 会話が一方通行であったり,応答にならないことが多い。(自分から質問をしても,相手の回答を待たず

に次の話題にいくことがある。)
・ 丁寧すぎる言葉遣い(場に合わない,友達どうしでも丁寧すぎる話し方)をする。
・ 周囲に理解できないような言葉の使い方をする。
・ 話し方に抑揚がなく,感情が伝わらないような話し方をする。
・ 場面や相手の感情,状況を理解しないで話すことがある。
・ 共感する動作(「うなずく」「身振り」「微笑む」等のジェスチャー)が少ない。
・ 人に含みのある言葉や嫌味を言われても,気付かないことがある。
・ 場や状況に関係なく,周囲の人が困惑するようなことを言うことがある。
・ 誰かに何かを伝える目的がなくても,場面に関係なく声を出すことや独り言が多い。
○ 対人関係における気付き
・ 友達より教師(大人)と関係をとることを好む。
・ 友達との関係の作り方が下手である。
・ 一人で遊ぶことや自分の興味で行動することがあるため,休み時間一緒に遊ぶ友達がいないようにみえる。
・ 口ゲンカ等,友達とのトラブルが多い。
・ 邪魔をする,相手をけなす等,友達から嫌われてしまうようなことをする。
・ 自分の知識をひけらかすような言動がある。
・ 自分が非難されると過剰に反応する。
・ いじめを受けやすい。


指導方法
A.基本的な考え方
<ADHDの指導・高機能自閉症等の指導共通>
・ ADHD・高機能自閉症等のある児童生徒の教育的ニーズは多様であることから,一人一人の実態把握を,単に行動上の問題の把握のみならず,教科学習や対人関係の形成の状況,学校生活への適応状況など様々な観点から行うことが必要である。
・ ADHD・高機能自閉症等のある児童生徒の保護者,クラスメイト,クラスメイトの保護者への理解推進も積極的に進める必要がある。
・ ADHD・高機能自閉症等のある児童生徒に対して,個別の指導計画による指導が見られ,効果を上げている例も見られるが,当該児童生徒への一層の教育の充実ということから,その作成にあたっては,通級指導教室や特殊学級など校内の特殊教育の担当者からの支援を得ることが望ましい。個別の指導計画を作成し,運用するに当たっては,保護者への十分な理解と連携が求められる。個別の指導計画の作成や運用の在り方については,研究開発学校における取り組みの成果等を参考に検討することが考えられる。
・ 知的発達には遅れがないものの学習面や行動面で様々な状態を示し,社会的適応にも困難を示すことがあることから,生徒によっては中等教育段階の早い時期から,障害の特性に配慮した職業に関する教育が必要である。

<ADHDの指導>
・ 多動行動等に対応するためには,小学生など低年齢段階からの適切な指導が重要である。
・ 生活技能(主として対人関係技能)を身に付けることが大切である。その際には,適切な行動に向けての自己管理能力を高めることも大切である。
・ 問題行動,非行等への配慮が必要である。
・ 自信回復や自尊心(自己有能感)の確立,さらには自分で自分の行動を振り返ったり,他者が自分をどうとらえているのかを理解したりすることも大切である。
・ 投薬(中枢刺激剤等)の効果が認められる場合があることから,医療との連携が重要である。

B.具体的な配慮
<ADHDの指導・高機能自閉症等の指導共通>
・ 共感的理解の態度をもち,児童生徒の長所や良さを見つけ,それを大切にした対応を図る。
・ 社会生活を営む上で必要な様々な技能を高める(ソーシャルスキルトレーニング)。それらは,ゲーム,

競技,ロールプレイ等による方法が有効である。
・ 短い言葉で個別的な指示をする(受け入れやすい情報提示,具体的で理解しやすい情報提示)。
・ いじめ,不登校などに対応する。
・ 本人自らが障害の行動特性を理解し,その中で課題とその可能な解決法,目標を持つなど対処方法を編み

出すよう支援する。
・ 校内の支援体制を整える。
・ 周囲の子どもへの理解と配慮を推進する。
・ 通級指導教室での自信と意欲の回復を図る(スモールステップでの指導等による)。
・ 通級指導教室担当者は,在籍学級担任への児童生徒の実態や学習・行動の状況等に関する情報提供や助言をする。
・ 医療機関と連携する。

<ADHDの指導>
・ 叱責よりは,できたことを褒める対応をする。
・ 問題行動への対応では,行動観察から出現の傾向・共通性・メッセージを読み取る。
・ 不適応をおこしている行動については,その児童生徒と一緒に解決の約束を決め,自力ですることと支援

が必要な部分を明確にしておく。
・ グループ活動でのメンバー構成に配慮する。
・ 刺激の少ない学習環境(机の位置)を設定する。

※ 上記の具体的な配慮は,すべての年齢層に共通というわけではなく,年齢によって,異なることに注意する必要がある。また,同年齢であっても,個々の状態に応じて配慮事項は変わることに注意する必要がある

ADHD - 配慮と手立て

  「落ち着きがない」「結果を考えずに思いつくままに行動してしまう」「集中が持続しない」などといった行動上の問題はとても目に付きやすく、幼児期から深刻な問題として取り上げられます。しかし、問題行動自体をなくすことに目がむけられがちなのが現状です。これらの問題行動の背景に、発達上の問題や学習面の問題を抱えており、時にLDを合併している場合も少なくありません。また、問題行動を引き金として怒られてばかりの経験を重ねると、自信をなくしたり自尊心を低下させることにも繋がります。「問題行動」よりも「なぜその行動が起こるのか」を念頭に置きながら、子どもに対応していくことが望まれます。


具体的な手立て


「不注意」な言動がみられる子どもへの手立て
<気が散りやすい子とは…>
  ・ケアレスミスをする。
  ・課題や遊びなどで、注意を集中し続けることが難しい。
  ・面と向かって話しかけられているのに、聞いていないような態度に見える。
  ・気持ちを集中させて努力し続けなければならない課題を避ける。
  ・気が散りやすい。
  ・指示に従えず、最後までやり遂げられない。
  ・課題を順序立てて行うことが難しい。
  ・学習課題や活動に必要な物をなくしてしまう。
  ・日々の活動において忘れやすい。
<背景として考えられること>
○情報の入力や処理に課題がある 
  ・聞いて理解する力(聴覚理解力)が弱い 。
  ・見たり聞いたりしたことの内容から必要なことに注意を向けることが
   できるが、その時間は短い。
  ・総合的に判断することが困難。
<支援へのヒント>
○言葉の理解を促す
  ・「お話しします」などと言って、注意を促す。
  ・抽象的な言葉は避け、行動化しやすい言葉で指示をする。
  ・注意を持続し、課題に取り組み続けられるように教師が声かけをする。
○視覚的にはたらきかける
  ・注目しやすいように、課題にマークをつける。
  ・始めに作業手順を図示するなど、全体の見通しが持てるようにする。
他にも、
  ・その子がやり遂げられるだけの量や内容を考慮して課題を始める。
  ・好ましい行動モデルを示す。
  ・廊下側や窓側など、刺激を受けやすい場所は避ける。

「多動」な言動がみられる子どもへの手立て
<落ち着きのない子とは…>
  ・手足をそわそわ動かしたり、もじもじしたりする。
  ・授業中などに突然、不用意に離席する。
  ・静かにじっとしていなければならないときに、過度にしゃべったり、動いたり、走り回ったりする。
  ・遊びなどにおとなしく参加することが難しい。
<背景として考えられること>
  ・中枢神経の行動を抑制する機能がうまく働いていないと考えられてい ます。
<支援へのヒント>
○言葉の理解を促す
  ・指示は具体的な言葉で、短く、はっきりと言う。
  ・課題を明確に伝え、見通しを持たせる。
○視覚的にはたらきかける
  ・「5分間黙っている」などと具体的な目標を決め、タイマーなどを利 用して自ら課題に取り組ませる。
  ・本人が活動する場所や位置を理解しやすいよう、目印になるものを用 意する。
他にも、
  ・課題が一区切りしたら、早めに休憩したり気分を変えたりする
   (のびをする、先生の手伝いをする、簡単な体操をするなど)
  ・一息入れるときに、あらかじめ先生と決めた活動をする
   (トイレに行く、本棚の本を読むなど)
  ・落ち着きがなくなってきたら、あらかじめ約束しておいた場所や方法
   で一定の時間過ごすなど、気分を落ち着けるようにする。

「衝動性」のある言動がみられる子どもへの手立て
<衝動的な言動がめだつ子とは…>
  ・質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう。
  ・他の人がしていることをさえぎったり、じゃましたりする。
  ・順番が待てない。
<背景として考えられること>
  ・中枢神経系の問題が基礎にあって起こっており、自分勝手やわがままだからという訳ではない。
  ・衝動性を抑制するための学習を積み上げて行かねばならない。
<支援へのヒント>
  ・発言のルールをその子と決めておく。
   (「先生が肩に手を置いている間は話さない」「挙手し指名された人
    だけが発言できる」など)
  ・その子がルールに従わないときは無視する。ただし、ルールはその場
   で常に確認すること。
  ・発言カードで発言回数をコントロールする。
  ・話したいことがあっても、例えば「1、2 ・・・5」と自分でつぶや
   くことで、はやる気持ちを抑えるように促す。
  ・列に並んで待つための工夫をする。
   (いすを置く、一定の範囲であれば動いて良いことにする、あと○人に
    なったら、列に並ぶマークに入るなど「順番」が目に見えるようにす
    る。)
  ・行動の改善が見られたら、ほめる。
  ・適切な行動がとれなかった場合、どうしたらよかったのか状況を振り
   返り、適切な方法をヒントを交えながら示す。

ADHD - 分類

ADHDの基本症状としては「不注意」「多動性」「衝動性」の3つであり、以下のような症状で説明されます

不注意
  1つの事をするのに集中を持続することが困難であったり、すぐに気がそれてしまい注意散漫な状態になったりします。

多動性
 一定の時間じっとしていることが出来ずに立ち歩いたり走り回ったりしてしまいます。

衝動性
 順番を待つことが出来なかったり、質問されて質問が終わる前に途中で答えてしまったりします。

 また、ADHDの症状は割合としては減少していくものの、児童期にとどまらず思春期や成人期にも持続していく場合も見られます。


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広汎性発達障害(Pervasive developmental disorder)PDD とは
広汎性発達障害(Pervasive developmental disorder)PDD とは

 広汎性発達障害(略称PDD)とは、「相互的な社会関係とコミュニケーションのパターンにおける質的障害および限局した常同的で反復的な関心と活動の幅によって特徴づけられる一群の障害」、つまり社会性や意思疎通の発達異常、興味・関心の範囲が狭い、反復行動、想像力の未発達などの特徴を持った障害のことを指します。

 一般的に自閉症の上位概念として認識されています。医学的にPDDの下位分類として自閉症(Autism)、アスペルガー症候群[障害](Asperger'ssyndrome)、レット障害(Rett's Disorder)、小児期崩壊性障害(Childhood Disintegrativedisorder)、そして診断上これらに該当しないものを特定不能の広汎性発達障害(PDD-nos)や、非定型自閉症として分類されています。
 また、知的障害を伴わないものを高機能広汎性発達障害(High-functioning pervasivedevelopmental disorder : HFPDD)と言い、知的障害を伴わない自閉症を高機能自閉症(High-functioning autism)と言います。

 有病率は人口のおよそ0.5〜0.75%といわれており、その男女比は自閉症では3〜5:1、アスペルガー症候群では8:1と男児に多いことが知られています。知的水準は、自閉症の場合は正常範囲から重度まで幅が広いですが、アスペルガー症候群ではほぼ正常です。

 言語発達の問題は、自閉症では軽度から重度まで幅広いですが、アスペルガー症候群ではほとんど問題がみられない場合が多いようです。対人関係の問題は自閉症でもアスペルガー症候群でもみられます。イギリスの精神科医ローナ・ウィングは、さまざまな研究の中でカナー型、アスペルガー型といった枠に完全に当てはまらないものの類似性のある事例に幾つかあたりました。彼女は次第に、広汎性発達障害は自閉症やアスペルガー症候群などという個々の独立したものではなく、広い連続体(スペクトル)の一部として捉えるものではないだろうかと考えるようになりました。そしてこの連続体を「自閉症スペクトル」という名で提唱しました。
 ちなみにイギリスでは「広汎性発達障害」(Pervasive developmental disorder)という語は「障害」と名のつくことで混乱を招くものとして捉えられやすく、親御さんには不評で「自閉症スペクトラム」という語の方が好まれているそうです。また発達領域における広範な障害が見られ、認知機能面でのアンバランスさが見られることがわかり、物事を「聞いて」理解するよりも「見て」理解する方が優位だということも特徴として挙げられるようになってきました。


PDD - 経緯

PDD 研究の歴史

 1911 年、精神分裂病(現:統合失調症)論を展開していたスイスの精神科医オイゲン・ブロイラー(E.Bleuler)は、精神分裂病患者に見られる「内的生活の比較的あるいは絶対的優位を伴うところの現実離脱(自分以外の世界との関わりを狭めたり排除して自分自身の中に閉じこもる)」状態を「自閉症(autismus)」と定義しました。

  1943 年、アメリカの児童精神科医レオ・カナー(L.Kanner)は、11人の特異的な行動異常を示す子どもたちについての論文「早期幼児自閉症」を発表しました。彼らに見られた特異的な行動異常とは、「他人との感情的(情緒的)接触の重篤な欠如」(コミュニケーションの障害)、「自分でこうと決めた事柄を同時に保とうとする激しい欲求」(常同運動)、「反復的なこだわり」、「言葉の異常」(言語発達の遅れなど)、「物の操作に取りつかれたような器用な動作」、「他領域での学習困難と対照的な高レベルの視空間スキルや機械的記憶(認知面でのアンバランス)」で、これらの行動異常を当初は分裂病と考えていたようで、幼児期にも起こりうる分裂病として捉えていたようです。また、「生来性あるいは生後30ヶ月以内に出現」し、「小児期におけるその他の病態とは独立したもの」として捉えていました。

  翌年1944年、オーストリアの小児科医ハンス・アスペルガー(H.Asperger)は、4人の少年たちについての論文「小児期の自閉的精神病質」を発表しました。彼らの行動特徴は、「他人への愚直で不適切な近づき方」、「特定の事物への激しく限定した興味の持ち方」、「文法や語彙は正しくても独り言を言うときのような一本調子の話し方」、「相互のやりとりにならない会話」、「運動協応の拙劣さ」、「能力的には境界線か平均的かもしくは優秀な水準であるのに1、2の教科に限る学習困難」、「常識が著しく欠けている」といったものでした。また、「3歳を過ぎるまであるいは就学まで両親は子どもの異常に気がつかなかった」としています。

 二人の革新的な論文ですが、カナーもアスペルガーもお互いに接点はなく、お互いの研究については全く知らないまま論文を発表しました。カナーの論文は一躍脚光を浴びましたが、アスペルガーの論文はドイツ語で書かれており、そして第二次世界大戦のため英語圏にまで広がることはありませんでした。その後、カナーはアスペルガーの論文にふれることはありませんでしたが、アスペルガーはカナーの論文と比較し、カナーの発表した症例との相違点だけでなく幾つかの類似点も認めています。他の研究者らもアスペルガーの症例はカナーの症例の亜型という見方をしており、1981年にイギリスのローナ・ウィングが取り上げるまでアスペルガーの業績は広く知られることはありませんでした。

  ジムクント・フロイトにより始められた精神分析が広まっていた20世紀後半、カナーでさえ当初は自閉症の原因を親の愛情不足によるものだとと捉えていました。精神分析家のブルーノ・ベッテルハイムは自閉症の原因として「育て方が悪い」という説を唱え、その考えの下書かれた本は日本でも広まったため、「自閉症児は母親の育て方が悪い」という目で見られるといった、家族にとって辛い時期がありました。

  しかし、1960年代頃から脳機能の研究が盛んになり、1970年代には、イギリスの児童精神科医マイケル・ラターらが自閉症の症状について言語及び認知面の問題を提起するようになり、自閉症は脳機能の障害及び脳器質性障害、つまり先天的な障害として捉えられるようになりました。イギリスの精神科医ローナ・ウィングは同僚のジュディス・グールドとともに行った研究(キャンバーウェル調査)の中で、ある重大な発見をしました。それは、自閉症児には対人関係の不器用さ、社会性の欠如、想像力の欠如の3つの特徴があるということです。これは後に、自閉症の「欠陥の3つ組」とも呼ばれています。

  またウィングは、これまで脚光を浴びなかったアスペルガーの論文を見直し、いわゆるカナー型の自閉症と比較していく中で、それぞれの症例は別のものではなく、連続しているものではないか、という「自閉症スペクトル」の概念を提唱しました。

PDD - 定義・診断基準

自閉症 

自閉性障害
A.(1)、(2)、(3)から合計6つ(またはそれ以上)、うち少なくとも(1)から2つ、(2)と(3)から1つずつの項目を含む。

(1) 対人的相互反応における質的な障害で以下の少なくとも2つによって明らかになる。
(a) 目と目で見つめ合う、顔の表情、体の姿勢、身振りなど、対人的相互反応を調節する多彩な非言語性行動の使用の著明な障害。
(b) 発達の水準に相応した仲間関係をつくることの失敗。
(c) 楽しみ、興味、成し遂げたものを他人と共有すること(例:興味のあるものをみせる,もって来る,指さす)を自発的に求めることの欠如。
(d) 対人的または情緒的相互性の欠如。

(2) 以下のうち少なくとも1つによって示される意志伝達の質的な障害。
(a) 話し言葉の遅れまたは完全な欠如(身振りや物まねのような代わりの意志伝達の仕方により補おうという努力を伴わない)。
(b) 十分会話のある者では、他人と会話を開始し継続する能力の著明な障害。
(c) 常同的で反復的な言葉の使用または独特な言語。
(d) 発達水準に相応した、変化に富んだ自発的なごっこ遊びや社会性を持った物まね遊びの欠如。

(3) 行動、興味および活動の限定され、反復的で常同的な様式で、以下の少なくとも1つによって明らかになる。
(a) 強度または対象において異常なほど、常同的で限定された型の、1つまたはいくつかの興味だけに熱中すること。
(b) 特定の、機能的でない習慣や儀式にかたくなにこだわるのが明らかである。
(c) 常同的で反復的な衒奇的運動(例えば、手や指をぱたぱたさせたりねじ曲げる、または複雑な全身の動き) 。

B.3歳以前に始まる、以下の領域の少なくとも1つにおける機能の遅れまたは異常
(d) 物体の一部に持続的に熱中する。
(1) 対人的相互作用
(2) 対人的意志伝達に用いられる言語
(3) 象徴的または想像的遊び。

アスペルガー障害 

A.以下の少なくとも2つで示される、社会的相互作用における質的な異常
1 視線を合せること、表情、身体の姿勢やジェスチャーなどの多くの非言語的行動を、社会的相互作用を統制するために使用することの著しい障害
2 発達水準相応の友達関係をつくれない
3 喜びや、興味または達成したことを他人と分かち合うことを自発的に求めることがない(たとえば、関心あるものを見せたり、持ってきたり、示したりすることがない)
4 社会的または情緒的な相互性の欠如

B.以下の少なくとも1つで示されるような、制限された反復的で常同的な、行動、興味および活動のパターン
1 1つ以上の常同的で制限された、程度や対象において異常な興味のパターンへのとらわれ
2 特定の機能的でない日課や儀式への明白に柔軟性のない執着
3 常同的で反復的な運動の習癖(たとえば、手や指をひらひらさせたりねじったり、または身体全体の複雑な運動)
4 物の一部への持続的なとらわれ
C.この障害は、社会的・職業的あるいは重要な機能の領域において、臨床的に明白な障害を引き起こす

D.臨床的に明白な言語の全般的な遅れはない(たとえば、単語が2歳までに使用され、コミュニケーションに有用な句が3歳までに使用される

E.認知能力発達または年齢相応の生活習慣技能、適応行動(社会的相互作用以外)、および環境への興味の小児期における発達に、臨床的に明白な全般的な遅れはない

F.他の特定の広汎性発達障害や精神分裂病を満たさない

PDD - 配慮と手立て

配慮

できたことをほめる
  心の理論課題でも取り上げられていますが、「他者の気持ちが理解できない」ということは、その場でどのような言動が望ましいのかわからないということにも繋がります。数々の失敗体験の積み重ねの中、自尊心の低下や自信喪失といった状態を引き起こすことで、無気力やうつ状態など二次的障害にもなり兼ねません。出来ないことをけなしたり怒ったりするのではなく、出来ることを「褒める」ことで自信になり、また成功体験を増やしてあげることもPDD児への配慮の 1つとも言えるでしょう。

「良いこと」と「悪いこと」との違いを明確に
  他者の表情を見て心情理解することが苦手なため、口頭で「してもいいよ」「いけません」などとどれだけ説明しても、表情が曖昧であればその真意は伝わりません。伝わりやすい方法はさまざまですが、それでも「良いこと」「悪いこと」がわかりやすいように多少表情を大げさに変える方がよいでしょう。

見通しを持たせる「構造化」
  想像力の欠如や認知理解の未熟さという特徴からもわかるように、見通しが持てない、あるいは時間の概念に弱いPDD児も多いです。その日その場で予定が変わってしまうことで大きな不安を抱え、混乱してしまいます。また、耳から聞いた指示よりも、図や絵で示した方がわかりやすいという特性も見られます。目から得る情報が乱雑では意味がありませんが、図や絵での提示、統制された環境の中で指示が理解できるといった場面もたくさん見られます。しなければならないこと、してほしいことをわかりやすく「構造化」していくことも有効です。

三項関係を見直し「共感」してあげる
  PDD 児は社会性の問題やコミュニケーションすることにも困難さを抱えています。これは突然起こるものではなく、乳児期の頃にも兆候が見られます。あやしても視線が合わない、呼びかけても反応しない、言葉が出てこないなどといった、育てる側にとって悲しい場面も多々見られるのではないでしょうか。
自分と対象(人・物)との二項関係は成立しているものの、コミュニケーションの基本とも言える、自分と他者と対象との「三項関係」が築けているか、見直すことはとても重要です。他者とのアイコンタクトから始まり、他者が目を向けた方へ追随し、再び視線を合わす、といった一連の動作の中で言葉を交わすことは日常生活の中で何気なく繰り返されています。

 同じ物を見て、相手が何を感じているのかを言葉にして返すことの中には、「共感」しているというメッセージも含まれています。コミュニケーションを促す上で、この「三項関係」と「共感」は重要な役割を担っています。


具体的な手立て

「対人関係」に困難をもつ子どもへの手立て
<友達づきあいの苦手な子とは…>
  ・色々なことを話すが、その時の状況や相手の感情・立場が理解できない。
  ・友達と仲良くしたいという気持ちはあるが、友達関係をうまく築けずに
   いる。
  ・友達のそばにはいるが一人で遊んでいる。
  ・仲の良い友達がいない。他の子どもたちからいじめられることがある。
<背景として考えられること>
  ・対人関係(情緒面、共感的理解)の弱さがある。
  ・相手の意図を理解できなかったり、相手の表情から感情を読みとりにく
   かったりするため、相手と交わる楽しさが得にくいことが多い。
<支援へのヒント>
○友達との関係を広げる。
  ・遊びに入れるように担任から働きかけていく。
   (追いかけっこなど、ルールのやさしい遊びから始める)
  ・グループのメンバー構成に配慮する。
  ・本人の得意な遊びを取り上げる。
  ・遊びを振り返り、楽しかったこと困ったことを整理する。
○トラブルへの対処
  ・わからないときは、相手に尋ね直すことを教える。
  ・困ったときは、先生を呼びに来ることを教えておく。
  ・トラブルが起こったとき、振り返ってどうすればよかったのか、一緒に
   考える。
  ・子どもの言いたいことや気持ちをことばで表してあげる。
  ・相手の振る舞いや顔の表情(目や口元)などから、相手の気持ちに気づ
   くことも教える。

「コミュニケーション」に困難をもつ子どもへの手立て
<コミュニケーションに偏りのある子とは…>
  ・嫌みや冗談を言われても何のことなのかわからず、言葉通り・字義通り
   に受け止めてしまう。
  ・その場で言ってはいけないことを汲みとることができずに、思ったこと
   を言ってしまう。
  ・会話の仕方が形式的で、抑揚なく話したり、間合いがとれなかったりす
   る。
  ・独特な声で話すことがある。
   (一本調子、甲高いなど)
  ・話が一方的で、相手とうまく会話を進めることが難しい。
  ・球技やゲームをするとき、仲間と協力することに考えが及ばない。
  ・会話の時に身振りやジェスチャーをうまく使えない。
  ・聞かれている意味が理解できずに、何回も聞き返したり、たくさんのこ
   とを伝えられても聞き取れない場合もある。
<背景として考えられること>
  ・話し言葉に大きな遅れはないものの、相手との話からその意味や意図す
   ることに共感できず、会話がうまく進まない。
  ・相手の立場に立って状況が捉えられない。
<支援へのヒント>
○共感性への支援
  ・その子の受けた色々な感情体験を言葉にして伝えることから始める。
○理解への支援
  ・「もうちょっとがんばろう」よりも「あと○問しよう。○○までしよう」など具体的な目標・内容で伝える。
  ・話し言葉だけでなく、文字やイラストを併用して伝える。
  ・順序立てて、簡単明瞭に話すように促す。
  ・禁止の言い方でなく、肯定的な言い方で伝える。
   (「廊下を走ってはいけない」ではなく「廊下を歩きます」など)
○伝達・表現への支援
  ・会話のルールを教えて、練習する。
   (相手が話している間は、相手に話しかけてはいけないなど)

「こだわり」が気になる子どもへの手立て
<特定のものにこだわる子とは…>
  ・限定された興味だけに熱中したり、また特定のものに強い関心や不安
   を持っている。
  ・非常に得意なことがある一方で、極端に苦手なことがある。
  ・自分なりの独特な日課や手順があり、変更や変化を嫌がる。
  ・特定の分野の知識を蓄えているが、丸暗記であり、意味をしっかりと
   理解していない。
  ・空想の世界(ファンタジー)で遊ぶことがあり、現実との切り替えが
   難しい場合がある。
<背景として考えられること>
  ・相手や周囲との間でおこるさまざまなことに想像力を働かせることが
   できない。
  ・相手に合わせて柔軟に思考したり行動したりすることがうまくできな
   かったり、同じ行為や思考を繰り返し、特定のものへのこだわりがみ
   られたりしやすい。
<支援へのヒント>
  ・その子の得意なことを生かしたり発表する機会を設けたりして、周り
   の子のその子への評価を高め、その子の自尊心を育てる工夫をする。
  ・普段から活動内容を日課表などで予告し、見通しを持ちやすくしておく。
   急な変更はできるだけ避け、やむを得ず変更する場合は、言葉だけでな
   くて、日課表の書き換えなど具体的に示し、必要に応じて内容の解説を
   する。
  ・空想の世界は否定せず、好きな作業に取りかかるなどの方法で、気持
   ちの切り替えができるきっかけをつくる。
  ・空想の世界に入るときは、現実場面に興味関心が持てないときが多い
   ことから、現実場面での活動内容について吟味する。
  ・こだわりを「やめさせる」ことに「こだわりすぎない」ことも大切で
   ある。

その他にも…
<その他の気になる行動>
  ・独特の表情や姿勢をしていることがある。
  ・動作やジェスチャーが不器用で、ぎこちないことがある。
  ・チック症状など、無意識に顔や体を動かしたり、声を発したりする
   ことがある。
  ・感覚(聴覚・視覚・味覚・触覚など)が過敏であったり、逆に鈍感
   であったりする。
  ・ストレスが強くなると、ひとりごとなど場にそぐわない行動をするこ
   とがある。
   (かつて経験した嫌な体験が突然思い起こされる「フラッシュバック」
    により、不安や不機嫌になったり、感情が不安定になってパニックに
    なったりする)
<背景として考えられること>
  ・感覚刺激をうまく処理できない
   (周囲の物音や見えるものなどに対して、騒がしく感じたりする。
    大勢の人の中にいることを苦痛に思いやすい)
<支援へのヒント>
  ・感覚や刺激について好きなものや嫌いなものの情報を、事前に集めて
   おく。
  ・不適切な行動の背景は、感覚過敏やフラッシュバックなどが関与して
   いないか探る。
   (不適応行動は、周囲の不適切な対応への反応の場合もある)
○感覚過敏に対して
  ・苦手な感覚刺激への対処を教えたり、排除したりする。
   (ひとりになれる空間、静かな場所、お気に入りのものなどを準備す
   るなど)
  ・本人の好きな活動に誘う。
○フラッシュバックに対して
  ・興奮したり、不安が強いときには、場面や話題を変えたり、安心でき
   るものや活動を提供したりする。
○不適応な行動に対して
  ・あいまいな言葉かけや過度の関わりをやめる。
  ・子どものペースに合わせる。
  ・感覚過敏に伴う食事、歯磨き、手洗い、着替えなどにおける不適応行
   動は、子どもの様子に合わせて徐々に和らげていく。

PDD - 分類


自閉症
  1943年、アメリカの児童精神科医レオ・カナーが「早期幼児自閉症」という論文を発表しました。その後、彼の報告した症例に類似したものが多く発表され、「カナー症候群」と言われることもありました。
1960年代頃まで、「親の育て方が悪い」「愛情不足」といった養育環境を原因と捉えた心因説・後天的原因説が広がりました。カナーでさえ当初は愛情不足が原因だと考えていたようでしたが、後に訂正しています。

 1960 年代に入り、マイケル・ラターらをはじめとする研究によって、現在では中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されており、「脳機能の異常によりもたらされる発達障害」という見解が持たれています。診断は国際的な診断基準にもとづき行われます。また自閉症の代表的な特徴としてローナ・ウィングは「自閉症の三つ組」という次の3つを挙げています。
1)対人関係(社会性相互交渉)の障害
2)コミュニケーションの障害
3)想像力の障害

 カナーは論文の中で「生後30ヶ月以内に出現する」としており、現在の医療においてもほぼ3歳までに発症するという見解が持たれています。また他人との、社会的関係の形成の困難さ、言語発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害としています。その中でも、知的障害がみられないものは「高機能自閉症」と呼ばれています。

アスペルガー症候群
 1944年、オーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーは4名の少年の症例を挙げて「自閉的精神病質」という論文を発表しました。時は第二次世界大戦中、敗戦国側の言語となるドイツ語で書かれていたこともあり、英語圏の人々には注目されませんでしたが、その後アスペルガーの報告した症例に似たものが続々と報告されるようになり、1981年にローナ・ウィングがアスペルガーの論文を見直し、「アスペルガー症候群」という概念を提唱しました。

 アスペルガーの前年に発表したレオ・カナーも、「自閉」という言葉を使用しています。二人の取り上げた症例は同じではありませんが、アスペルガーは幾つかの類似点も認めています。
大きく違う点として、カナーの症例は「生後30ヶ月以内に出現する」としているのに対し、アスペルガーの症例は「3歳を過ぎるまであるいは就学まで異常に気づかない」としています。自閉症の三つ組と称される基本症状のうち、コミュニケーションの障害があまり見られないものをアスペルガー症候群と言います。

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「めざせ! ポジティブADHD」 ADHD生き方を発信 
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ADHD生き方発信 愛媛の会社員福岡で出版 
体験基に解説漫画 注意散漫、多動…「障害も個性」

 注意散漫、多動、衝動的などの行動が見られる注意欠陥多動性障害(ADHD)の会社員女性、あーささん(26)=ペンネーム、愛媛県在住=が、同じ障害の人たちに向け体験を漫画にした「めざせ! ポジティブADHD」を福岡市の書(しょ)肆(し)侃(かん)侃(かん)房(ぼう)から来月出版する。軽度発達障害に関する本を当事者が出版する例は珍しく、あーささんは「障害を踏み台にしてどう生きるかを考えるきっかけに」と話している。

     ◇
 漫画は中学1年生の少女が主人公。ADHDと診断されて戸惑う少女が「先輩ADHD」として登場するあーささんや専門医と出会い、アドバイスを受けながら障害と向き合い、理解を深める内容。ニューロンやドーパミンなど、脳機能障害の仕組みを分かりやすく説明したほか、人格障害やうつ病など周囲の無理解から起こる二次的影響も紹介している。
 障害を受け入れる心の葛藤(かっとう)や周囲の理解を得られない悲しみなどもありのままに描いている。
   *   *
 あーささんは大学3年生のとき、ADHDと診断された。自分の障害を知ろうと買い集めた専門書は用語が難しく「周囲はどう対処するか」という内容ばかりで当事者に向けた本はなかった。
 そこで漫画を描くのが趣味だったあーささんは、実体験を踏まえ「当事者としてどう生きていくか」に焦点を当てた解説漫画の執筆を決意した。
 もう1つの執筆理由は自らの体験から。高校生のころ、自分の行動で周囲に迷惑をかけて落ち込んだ時期もあった。しかし「大学生になって調べるうちにADHDも個性と認めることができたら、自分のことがすごく好きになった」という。
 出版に当たり、久留米大医学部の山下裕史朗准教授(小児神経)と九州看護福祉大の水間宗幸助教(特別支援教育)が監修した。
 あーささんは「ADHDだからできない、仕方ないとあきらめず、前を向いて生きてほしい」と語る。
 価格は2100円。書肆侃侃房=092(735)2802。 (2007年5月30日西日本新聞掲載)

注意欠陥多動性障害(ADHD)
 脳機能障害である軽度発達障害の1つ。
 理性で衝動を抑えることができず、注意散漫、落ち着きがないなどの特徴がある。周囲に障害と気付かれず、学校や職場で「怠け者」「努力不足」などの不当な評価を受けやすい。
 文部科学省の2002年調査では、軽度発達障害の可能性がある児童・生徒数は、全体の約6%と推定されている。





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コップ2杯の水が立ちくらみを予防
コップ2杯の水が立ちくらみを予防−−米研究
 急に立ち上がったり、朝礼や通勤電車などで長時間立ち続けた時に、ふらっとして目の前が暗くなり一瞬意識が遠のく−−。このような立ちくらみ(脳貧血)を、水をコップ2杯飲むだけで、予防できる可能性があることがわかった。健康な男女22人に人為的に立ちくらみを起こす検査を受けてもらったところ、5分前に水を2杯飲んだ時には、何も飲まなかった時よりも立ちくらみが起こりにくかったという。研究結果は、Circulation誌11月25日号に掲載された。

 この研究を行ったのは、米国Vanderbilt大学自律神経失調症センターのChih-Cherng Lu氏ら。脳貧血は脳への血流が一時的に不十分になるために起こるが、その原因の一つに自律神経失調による血圧調節機能の異常がある。Lu氏らは、自律神経失調症がある人の場合、「水を飲むと血圧が上がる」ことを発見。事前に水を飲むことで、脳貧血を防げる可能性があると考え、実験を行うことにした。

 研究には18歳から42歳の健康な男女11人ずつが参加。参加者には脳貧血の検査を二日間、1回2時間ずつ受けてもらったが、どちらか1日は検査の5分前に室温の水をコップ2杯(16オンス、約473ml)飲んでもらった。「初日に水を飲む」か「二日目に水を飲む」かは、くじ引きで無作為に決めた。なお、血圧などに影響を与える恐れがあるカフェインやアルコール、たばこは、1週間前から控えてもらった。

 脳貧血の検査は、起立負荷試験(ティルト試験)と呼ばれるもの。ベッドの上に横になり、しばらく安静を保った後、徐々にベッドを起こしていく。そして、傾斜角60度にまで起こした、つまり体が斜め後ろに倒れた状態で45分間立ってもらい、脳貧血を起こす(血圧が30mmHg以上、心拍数が10以上下がる)までの時間を調べるというものだ(日本では普通、傾斜角80度で検査を行っている)。

 その結果、事前に水を飲んだ場合は、水を飲まなかった時よりも、脳貧血を起こすまでの時間が長い(順に平均41分、32分)ことが判明。寝た状態から体を起こしていくと心拍数が急増するが、水を飲んだ場合は心拍数の変動が少ないこともわかった。血圧を保つ仕組みの一つである末梢血管抵抗は、水を飲んだ時の方が上昇していた。

 以上からLu氏らは、水を飲むと末梢血管抵抗が上がり、起立負荷をかけた時に脳貧血を起こしにくくなると結論。ただし、この「飲水予防法」の弱点は、脳貧血を起こす前に水を飲まなければいけないこと。いつ脳貧血が起こるかわからない状態では役に立たない。そこでLu氏らが提言するのは「献血前の飲水」だ。米国では毎年、15万人以上が献血の後に脳貧血を起こすが、その予防にも使える可能性があるとLu氏らは考えている。 Circulation誌11月25日号より

・これは起立性調節障害の方には、いくらか参考になる情報だと思います。
 ただ漢方的には余分な水分は水毒になるという考えもあるので、
 有効な方とそうでない方がいると思います。





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日本小児心身医学会ー起立性調節障害
起立性調節障害でお悩みの方

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日本小児心身医学会発表ー起立性調節障害:田中英高

起立性調節障害とはどんな病気/症状でしょうか?
人は起立すると、重力によって血液が下半身に貯留し、その結果、血圧が低下します。健康な人では、これを防ぐために自律神経系の一つである交感神経が興奮し、下半身の血管を収縮させ血圧を維持します。また、副交感神経活動が低下し心臓の拍動が増加し心拍出量を上げ、血圧を維持するように働きます。ところが、起立性調節障害ではこの代償機構が破綻して血圧は低下し、脳血流や全身への血行が維持されなくなります。そのため、立ちくらみやふらつきが起こってきます。血液による酸素や栄養の供給が悪いので、すぐに疲れたり、また疲労からの回復が遅れます。さらに脳血流が悪いために、思考力は低下し、集中力もなくなってきます。心臓は代償性頻脈を起こすため、起立状態や少しの運動で息切れ、動悸を起こすようになり、とても身体が辛く感じます。身体を横にすると全身への血流が回復するため、このような症状が軽減し身体が楽になります。起立性調節障害の子どもは、ごろごろと横になることが多いのはこのためです。
ところで自律神経の活動性には24時間周期の日内リズム(概日リズム)があります。たとえば、人は早朝になると交感神経活動が増えて身体を活性化し、夜には副交感神経活動が高まり身体をクーリングさせ、休養させます。ところが、起立性調節障害では、午前中に交感神経が活性化せず、5〜6時間以上も後ろにずれ込んできます。その結果、朝に身体が休止しているような状態になります。その一方で、深夜になっても交感神経の活動性が下がってこないので、夜は身体が元気になり、寝つきが悪くなります。一見、生活リズムが乱れているように見えるのですが、その根本原因は自律神経系の日内リズムが後方にずれこんでいることにあります。起立性調節障害の子ども達に対応する際に、このような特徴は十分理解してあげてください。

起立性調節障害は多い病気ですか?
頻度の高い疾患です。好発年齢は10 〜16歳、有病率は、小学生の約5%、中学生の約10%とされ、男:女=1:1.5 〜2です。厚生科学研究の全国調査によると、一般小児科外来を受診した10〜15歳3316名のうち、281名(8.5%)が心身症、神経症等と診断され、その中で起立性調節障害は199名と約7割を占め最も多くみられました。

起立性調節障害はどんな検査が必要ですか?
起立性調節障害の検査には、以前からシェロング起立試験が行われていました。この試験では、臥位10分後と、その後に10分間起立させて血圧と脈拍を測定します。従来の起立性調節障害診断基準では、収縮期血圧が起立時に21mmHg以上低下した場合、異常と判定します。しかしシェロング試験での診断率が低かったのです。最近、さまざまなハイテク装置が開発され、起立性調節障害を正確に診断する方法が開発されました。非観血的連続血圧測定装置(フィノメータやポータプレス)というハイテク血圧計は、血圧と脈拍が一心拍毎に連続的に測定します。この血圧測定装置を使って、起立直後性低血圧(起立直後に強い血圧低下がある)、体位性頻脈症候群(起立後頻脈が続く)などのタイプが見つかってきました。最近は、このような装置がなくても小児科の外来でもできる新しい起立血圧試験が開発されています。
起立性調節障害の治療について簡単に教えてください。
起立性調節障害は身体疾患ですから、まず身体面での治療を進めます。すぐには改善しませんので、焦らず取り組んで下さい。治療には、非薬物療法と薬物療法があります。まず非薬物療法から開始します。規則正しい生活リズムの回復、塩分が1日10〜12gで、水分は少なくても1日1.5リットル摂取するようにします。薬物療法では、昇圧剤のミドドリンなどを用います。また加圧式腹部バンドや圧迫ソックスなどの下半身圧迫装具は、無駄な血液貯留を防ぎ速やかな症状軽減に役立ちます。
一方、起立性調節障害はさまざまな精神的ストレスで悪化することがあり、心のケアが有効なこともあります。もし、それが解決できそうならば進めますが、すぐには無理であるならば、解決するまでゆっくり待つ、という方法をとります。友達関係のこじれであれば、心の引っかかりもすぐには解決し難いので、本人の心が回復するまで保護者も教師もゆっくり見守る姿勢が大切です。ただし、本人が心を打ち明ければ正面から取り組んでいただきたいと思います。

起立性調節障害は治るのでしょうか?病気の経過について教えて下さい。
どのような状態を「治る」と考えるのか、それによって答えも変わります。ここでは、身体症状があっても薬を服用せずに日常生活に支障が少なくなった状態、とします。
重症度によって予後はかわります。日常生活にほとんど支障がでていない軽症では、秋になって涼しくなると軽快します。しかし、温かくなる春先に再発することが多いようです。学校を時々遅刻したり、たまに欠席する程に日常生活に支障がでてきた中等症では、回復に時間がかかるようになります。日常生活に支障のある中等症では、1年後の回復率は約50%、2〜3年後は70〜80%です。重症例では、朝が起きられないために、ほとんど欠席しますので成績も悪くなります。この場合、普通高校の進学は難しくなります。もし、入学できたとしても、朝の授業にたびたび欠席して、留年になることも珍しくありません。しかし、からだと心の両面から治療的対応がうまくいき、さらに体力に見合った高校(午後から授業の単位制高校など)に進学すれば、高校2年生ごろにはかなり回復し学業や運動にも支障がなくなります。重症では社会復帰に少なくとも2〜3年かかると考えた方が良いでしょう。しかし、約9割の子どもが高校卒業し、大学進学率も平均並です。
保護者と学校関係者へのお願い
「起立性調節障害は身体の病気であり、起立や座位で脳血流が下がり、思考力・判断力が低下する」ということを、保護者や学校の先生などの周囲の人がまず理解してあがることが大切です。午前中に症状が悪くなり学校を遅刻しがちになるが、午後〜夜に体調が回復して、テレビやゲームで楽しそうに遊んでいる姿をみると、「どこから見ても病気とは思えない」というのが、保護者の本音です。しかし、最先端の検査を行うと明らかな異常が見つかるのです。決して仮病や怠けではないと考えましょう。保護者、学校の先生の理解が得られることで、子どもは安心し症状軽減につながります。
症状が悪くなるのは、1日の中では午前中、そして1年の変化でみると、血管が拡張しやすい春先から夏の時期です。寒くなってくる秋〜冬は、手足が冷えやすい、という問題はありますが、全般的に体調が回復することも知っておいて下さい。
「この病気は心の持ち方次第でよくなる」「だれでも朝は辛いけど、みんながんばっているんだ」と言って、朝から家に迎えに行く教師がおられます。かえって子どもが拒否的になってしまい、引きこもりを起こすことがあります。起立性調節障害症状が改善する時間帯に登校する、長時間の起立や座位は脳血流を低下させるので、保健室や別室で楽な体位で学習できるような配慮が必要です。
担当医に診断書を提出してもらいましょう。起立性調節障害の子どもによって詳細は異なりますが、「学校生活すべてにおいて静止状態での起立を3〜4分以上続けないこと」「暑気を避ける。夏に体育の授業を見学させる時には、重症度が中等症以上では、涼しい室内に座って待機させる」などの記載をしてもらいましょう。日常生活にほとんど影響が出ていない「軽症起立性調節障害」では、運動制限の必要はありません。症状のために学校を時々欠席してしまうような「中等症起立性調節障害」では、一見元気そうに見えても、競争を要する運動は避けてください。また、起立失調症状などの体調不良が出現したら、すみやかに臥位にして脳血流を回復させるようにしてください。学校をほとんど欠席して長期不登校となっている「重症起立性調節障害」では、登校した場合でも体育は中止します。
体調不良でも昼間は身体を横にしないようにします。また、散歩程度の運動は積極的に進めます。筋肉のポンプ作用で下半身への血液貯留を防ぐことができます。歩いても良いが、じっと立つのはダメ、ということです

これ以上の詳細なことを知りたい場合には、http://www.inphs-od.com/にアクセスして下さい。

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