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中神琴渓さん
文政年間の京都の医界で名医として知られた中神琴渓は、近江国山田村の貧農の家に生まれたが、独学奮励して医者になった人物である。 彼には次のような「死を予知する」ということに関連した逸話がある。三十を過ぎたある日、いつものように野菜の行商で大津まで出て、ある髪結床に作物を買ってもらい、そこで一休みしていた時のことである。 床屋の親方が妙なことを口にした。先程帰った客の老人は気の毒だが近いうちに死ぬだろうと言うのである。それを聞いて半信半疑でそれとなく気に止めていたところ、はたしてその老人は幾日かして本当に死んだ。 琴渓は驚いて、なぜ予知できたのかしつこく親方に尋ねるとその理由を話してくれた。「これまで何千人もの髪を結ってきたが、死が近づくと決まって代月のところに証が現れるのが分かるようになっただけのことだ」と。 琴渓はこれに大いに感じた。髪結床の親方さえこれだけのことが分かるのである。自分も医者となりその道を極めれば、人の生死を予見できるようになると。一大決心をした琴渓は医学書を漁り、その中でも特に六角重任著・吉益東洞閲『古方便覧』二巻を精読・研究し、ついに四十九歳のとき京に出て開業したという。 これは下で紹介している私の尊敬している江戸時代の名医「中神琴渓」さんの逸話です。私は何百冊の漢方専門書を読みましたが、琴渓さんが弟子に話したことをまとめた本が一番だと思いました。感動して三冊買ってしまいました。私の宝物の一つです。




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| 漢方調剤は一日分400円::私の尊敬する漢方の先人 | 10:07 PM | comments (x) | trackback (x) |
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